こんにちは、上原です!

遅くなりましたが、9月7、8日に会員活動の一環として実施しました「夏の勉強お泊り会」の報告です。

よく学びよく遊べということで、広島国際青少年協会では、リーダーと一緒に遊ぶだけでなく、一緒に勉強することも大切にしています。

今回のテーマは「学びとは」です。今回の会では、”なぜ学ぶのか” “どのように学ぶのか” について、みんなで考えました。

まずはじめに、木村先生から、認知科学や心理学の知見に基づいて「効果的な勉強とは」というお話をしてもらいました。

2013-09-07 19.49.58.jpg

認知科学というのは、情報処理の観点から脳と心の働きを明らかにしようという研究分野だそうです。
人間の記憶の仕組みなどを紐解きながら、「学び」という営みについていろいろと解説してくださいました。

また、今回は「学び」を論題としたディベート(討論)を行いました。

子どもたちにとってディベートははじめての体験ということで、まずはディベートのやり方を学びました。

ディベートとは、
1) 特定の論題に対して
2) 肯定否定に別れ  
3) 一定のルールのもとに
4) 同じ持ち時間で立論・質疑・反駁を行い
5) 相手や聴衆を説得する技術を競い
6) 審判が勝敗を決する
というものだそうです。

そして、
1) 肯定側立論
2) 否定側質疑
3) 否定側立論
4) 肯定側質疑
5) 否定側第一反駁
6) 肯定側第一反駁
7) 否定側第二反駁
8) 肯定側第二反駁
9) 判定
という流れでディベートは進行していきます。

1日目の夜は、立論や反駁の作り方について学びました。「動物園の動物の方が野生の動物よりも幸せである」や「学校は完全週休2日制を廃止すべきである」という論題について、リーダーと一緒に考え、実際にディベートを試してみることで、ディベートのやり方に慣れていきました。

そして、2日目には、実際に子どもたちだけでディベートをしてみました。
このときの論題は、「学校はもっと宿題をたくさん課すべきである」といったものでした。

ディベートで求められることは、相手の主張をよく理解して、的確に反論することです。そこで、試合中は「フローシート」という記録用紙に、試合の経過をまとめます。

2013-09-08 10.26.14.jpg

まず必要になるのが、相手の主張を正確に聴きとることです。相手の主張が全く理解できていないようでは、そもそも試合になりません。
次に、相手の主張に対してどのように反論すればよいのかを考えます。感情的に反論するのではなく、論理的に反論することが求められます。
そして、最後に実際に反論を行うわけですが、そのときには相手方にも聴衆にも審判にも理解できるように、自分たちの主張を明快に伝えることが求められます。自分だけがわかっていても意味がなく、相手にも伝わらないといけません。

例えば、
・宿題がたくさん課されたら自分が本来やるべき勉強ができなくなる
・人間の意志はそんなに強くないから、宿題が課されないとまったく勉強しなくなる
といった意見が活発に交わされていました。

2013-09-08 10.01.32.jpg

はじめは「小学生にディベートなんてできるんだろうか」と不安に感じていましたが、最後にはリーダーに対して議論を吹っかけてくるなど、充実したディベートになったのではないでしょうか。

指導してくださった木村先生、ありがとうございました。

最後は木村先生へのインタビューで終わりにしたいと思います。次回もお楽しみに。

————

Q: 勉強お泊り会って何ですか?
勉強お泊り会は、「普段は何気なくやっている勉強について改めて考えてみる機会を得る」「これから共に学んでいく仲間を得る」ことを目指して開催しています。

今回は「学びとは」と題して、なぜ勉強するのか、どのように勉強するのかということについて、一緒に考えていきました。

Q: どうして勉強しなきゃいけないんですか?
さぁ、何なんですかね?正直なところ、私にもわかりません!笑

子どもたちに「普段どんな勉強してる?」と尋ねてみると、
「学校や塾の宿題をやる」
「試験前に試験範囲を勉強する」
という答えが返ってきます。
また、「どうして勉強するの?」と尋ねると、
「自分のため」
「勉強するのが子どもの仕事だから」
という答えが返ってきます。

これらの意味を心から理解していればいいのですが、必ずしもそうではありません。というのは、このような発言は「『あなたのためなんだから勉強しなさい』と親が言うから」「『勉強するのが子どもの仕事だ』と親が言うから」という大人の意見に引っ張られているだけだからです。
「学校や塾の宿題をやる」「試験前に試験範囲を勉強する」というのも同様です。もちろん学年が低いうちはそれで十分なのですが、受け身なままでいると、とにかく目の前に降ってくる大量の課題をこなすことが「勉強」になってしまいます。
しかし、「勉強」に対する意識が希薄なままでは、はじめはうまくいっていても、その先でいつかはつまずいてしまう恐れがあります。特に、勉強のできる子ほど、あまり深く考えなくてもそれなりにいい成績が取れてしまうため、その罠に陥りがちです。

受け身な状態での勉強は、

 問題を解く
  ↓
 答え合わせをする
  ↓
 新しい問題を解く
  ↓
 答え合わせをする
  ↓

という流れで進んでしまいがちです。しかし、本来の勉強というものは、

 問題を解く
  ↓
 答え合わせをする
  ↓
 無回答・誤答の原因を考える
  ↓
 自分の力で解き直す
  ↓
 答え合わせをする
  ↓

という流れで進んでいくべきものです。

「答え合わせ」というと、間違えた問題に赤ペンで×をつけ、正しい答えを記入すれば「答え合わせ」が終わったと考えている子どもが多いように思います。この作業に何の意味もないとは言いませんが、ほとんど意味はありません。
「答え合わせ」とは、間違えた問題について、なぜ間違えたのかを分析し、正しい答えを理解し、その問題を自分の力で繰り返し解き直して、はじめて意味を成します。

効果的な勉強法とは、後者のような流れを循環させることです。
自分の誤りを自分自身で発見し修正していくことが、勉強にはとても大切なことです。これは子どもの勉強だけでなく、大人の勉強にも当てはまることであり、このような「学び方を学ぶ」ことこそが「学び」であると言えるのではないでしょうか。

周囲からの動機づけによって勉強するのではなく、自分から進んで勉強するためには、勉強の楽しさを実感し、なぜ勉強するのかという目的を持つことが大切になります。
何のために勉強するのかという勉強に対する姿勢が変わります。勉強に対する姿勢が変われば、試験前だからと付け焼刃的に勉強するのではなく、毎日の授業も試験勉強に早変わりします。

Q: 大切なのは学ぶことに対する意識だ、と。
そうですね。「学びとは何か?」に対する自分なりの答えが見つかれば、いやいや勉強している状態から脱却でき、少しでも勉強は楽しいと思えるようになるかもしれません。どうせ勉強しなきゃいけないなら楽しく勉強した方がいいですからね!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事